KB5065426後にファイル・プリンター共有が使えないときの7つの確認

KB5065426適用後のWindows 11の共有トラブルを切り分けます。ネットワーク設定、資格情報、SMB、クローンPCのSIDとログを確認し、更新や回復を検討する手順を紹介します。

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KB5065426適用後の共有トラブルを整理する

Windows 11のKB5065426は、2025年9月に公開された24H2向けの累積更新プログラムです。適用後にSMB共有やプリンター接続で問題が起きた場合は、更新の時期だけで原因を決めず、現在のビルド、接続先、エラーメッセージを記録してください。

資格情報を繰り返し要求される、RDPに接続できない、といった症状には複数の原因があります。クローンしたPCのSID重複、アカウントや保存済み資格情報、名前解決、SMBの互換性などを分けて確認します。

まず記録しておきたい症状

クローンしたPCの認証エラー:マシンSIDの重複が関係する場合があります。SIDの実測とLSAログで確認します。

SMB共有への接続失敗:「ネットワーク パスが見つかりません」などのエラーでは、接続先、名前解決、共有設定も調べます。

ファイルやプリンターの共有に失敗:ネットワーク経由で使えないのか、そのPC内でも動かないのかを区別します。

7つの確認方法と使い分け

次の項目から、実際の症状に合う確認へ進んでください。すべての設定をまとめて変更する必要はありません。

  1. 方法1:マシンSIDを比較する。クローンしたPCでは、SIDと関連イベントを確認します。
  2. 方法2:ネットワークプロファイルを確認する。信頼できるネットワークで、プロファイルと共有の規則を調べます。
  3. 方法3:名前とIPアドレスでの接続を比較する。名前解決の切り分けに使います。
  4. 方法4:古い機器のSMB設定を確認する。NASの認証方式と対応バージョンを調べます。
  5. 方法5:対象の保存済み資格情報を更新する。接続先に関係する項目だけを見直します。
  6. 方法6:Windowsの修復を検討する。システムファイルの問題が疑われる場合に使います。
  7. 方法7:更新情報と回復方法を確認する。最新の修正を優先し、必要な場合だけロールバックを検討します。

方法1:クローンしたWindows PCのマシンSIDを確認する

同じイメージから作成したPCでは、ローカルマシンSIDが重複していないか調べます。Microsoftは、特定のWindowsバージョンと更新状況で、SID重複によるKerberos/NTLM認証エラーを説明しています。PsGetSidで両方のPCを確認し、失敗した接続とLSAイベント6167を照合してください。原因を確認した既存PCでは、WindowsのSID変更機能を利用する選択肢があります。

Wittytool Disk Cloneは、確認済みのSID重複に対して次の操作を行えます。

  • マシンSIDを再生成:既存のWindows環境で新しいローカルマシンSIDを生成します。任意のSIDは指定できません。
  • SID重複への対処:重複が原因と確認できた場合の選択肢です。ほかの原因による資格情報のエラーは別途調べます。
  • 既存環境を保持:ユーザー、設定、インストール済みアプリ、データを保持し、マシンSIDから派生するローカルアカウントSIDも更新します。

サーバー環境では、Windows ServerのSID変更手順も確認してください。ドメインコントローラーやクラスターに、通常のPC向け手順をそのまま適用しないでください。

SIDの重複を確認したら、Wittytool Disk Cloneをダウンロードし、復元可能なバックアップ、管理者アカウント、必要な回復キーを準備してから進めます。

手順1:ツール → SIDの変更を開きます。

Wittytool Disk Cloneのツール画面で「SIDの変更」を開く。

現在のコンピューター名を保持するか、新しい名前を自動生成するかを選びます。同じネットワークで使うPCは、異なる名前にしてください。

手順2:選択した設定を確認し、SID変更を開始します。

SID変更前にオプションと注意事項を確認する。

手順3:権限の競合を避けるため、一部のアプリがいったんアンインストールされます。

SID変更の途中で対象アプリを処理している実際の画面。

対象アプリと関連データは、アンインストール前に自動でバックアップされます。

手順4:新しいSIDを適用するため、Windowsが自動的に再起動します。

SID変更を適用するための再起動を案内する画面。

手順5:サインイン後、Wittytool Disk Cloneが対象アプリと関連データを自動で復元します。復元が完了するまで待ってください。

SID変更後にアプリとデータの復元状況を確認する画面。

変更後の確認

ローカルアカウント:既存のアカウントと設定は保持され、マシンSIDから派生するSIDも再生成されます。

SID変更後のWindowsアカウントのサインイン画面。

Microsoftアカウント:再起動後にPINの再設定を求められる場合は、画面の案内に従ってください。

WindowsでPINの再設定を求められた場合の案内。

動画ガイド:Wittytool Disk CloneでWindowsのSIDを変更する手順

変更後はSIDを再取得し、元の共有やRDP接続、サインイン、必要なアプリを確認します。ドメイン参加済みPCでは、管理者と調整してドメインから外し、SID変更後にドメインコントローラーへ接続して再参加してください。

方法2:ネットワークプロファイルと共有設定を確認する

ネットワークプロファイルとファイアウォールの規則によって、探索や共有の動作は変わります。KB5065426が常にプロファイルを変更すると決めつけず、現在の設定を確認してください。

PC同士がネットワークに表示されない場合は、信頼できる家庭内または社内ネットワークで次を確認します。

  1. スタート → 設定を開きます。
  2. ネットワークとインターネットを選びます。
  3. 接続中のWi-Fiまたはイーサネットのプロパティを開きます。
  4. 信頼できるネットワークの場合は、ネットワーク プロファイルの種類を確認し、必要に応じてプライベートを選びます。公共のネットワークでは安易に変更しないでください。
  5. ネットワークの詳細設定 → 共有の詳細設定で、使用するプロファイルのネットワーク探索とファイルとプリンターの共有を確認します。ファイアウォール全体を無効にせず、必要な共有規則を確認してください。
信頼できるネットワークでプロファイルと共有設定を確認する図。

方法3:コンピューター名とIPアドレスでの接続を比較する

「ネットワーク パスが見つかりません」(0x80070035)というエラーには、名前解決、接続経路、共有の存在など、複数の原因があります。更新でDNSやNetBIOSが壊れたと断定せず、接続方法を比較します。

ネットワークリソースへのアクセスで表示されるWindowsエラーの例。

同じ共有にコンピューター名とIPv4アドレスの両方で接続し、結果を記録します。

  • 通常は\\OFFICE-PC\SharedFolderのように、コンピューター名で共有へ接続します。
  • 比較するにはWin+Rを押し、例の\\192.168.1.50\SharedFolderを実際の共有先のIPアドレスと共有名に置き換えて入力します。

IPアドレスでは接続できる場合、名前解決や名前にひもづく設定が調査の手掛かりになります。ただし、IP指定で認証方式が変わる場合もあるため、更新が原因であることや、SMB全体が正常であることまでは証明できません。

方法4:古いNASのSMBと認証方式を確認する

古いNASやルーター接続のUSBストレージは、現在のWindowsの認証・SMB要件に対応していない場合があります。ゲスト接続の制限とマシンSIDの重複は、別々の問題として確認してください。

古いNASの接続を調べる際に、SMBゲストアクセスのポリシーを確認する画面。

安全性の低いゲストログオンを一律に有効化する前に、機器とWindowsの対応条件を確認します。

  1. NASの管理画面で、利用可能なファームウェア更新とサポートされるSMBバージョンを確認します。
  2. 共有専用のユーザー名とパスワードを設定できるかを確認します。
  3. Windows側で、そのアカウントを使って接続します。
  4. 共有のアクセス許可と、利用するアカウントの権限を確認します。
  5. SMB署名や暗号化の要件は、NASの仕様および組織の管理方針と照合します。
  6. 必要な設定が分からない場合は、機器のメーカーまたは管理者に相談します。互換性の問題を理由に、保護機能をまとめて無効にしないでください。

方法5:対象サーバーの保存済み資格情報を更新する

資格情報を繰り返し要求される場合は、まず接続先のアカウント名とパスワードを確認します。Windows HelloのPINと、共有先アカウントのパスワードは別です。

ユーザー名またはパスワードが正しくないと表示される原因は、資格情報、アカウントの指定、アクセス許可などさまざまです。KB5065426が必ず保存済み情報を無効化したと決めつけないでください。

対象サーバーに対応する保存済み資格情報を確認する画面。

正しいアカウント情報を確認したうえで、対象の接続先に関係する保存済み項目だけを見直します。

  1. スタートでコントロール パネルを検索して開きます。
  2. 表示方法を大きいアイコンにして、資格情報マネージャーを開きます。
  3. Windows 資格情報を選びます。
  4. 接続先のIPアドレスまたはホスト名に対応する項目を探します。対象が分からない項目をまとめて削除しないでください。
  5. 古い情報と確認できた対象項目を削除します。
  6. 対象サーバーへの既存接続を適切に終了し、正しい資格情報で再接続して確認します。ほかの共有や業務中の接続をまとめて切断しないでください。

方法6:Windows Updateによる修復を検討する

印刷スプーラーの停止やシステム機能のエラーも続く場合は、プリンタードライバー、サービス、システムファイルを調べます。共有エラーだけでWindowsの破損が確定するわけではありません。

Windows Updateによる修復を検討する際の回復設定の例。

現在のWindowsを再インストールしてシステムコンポーネントを修復する機能が利用できる場合があります。必要なデータと回復キーを確認し、管理対象PCでは組織の手順に従ってください。

  1. 設定 → システム → 回復を開きます。
  2. Windows Updateで問題を解決するが利用できる場合は、内容を確認して今すぐ再インストールを選びます。表示や利用可否は、バージョンと管理設定によって異なります。
  3. 画面の説明に従い、現在のWindowsバージョンを修復する処理を完了します。必要なダウンロードと再起動の時間を確保してください。

この修復は、ファイル、アプリ、設定を保持してシステムコンポーネントを再インストールする方法です。ネットワーク設定の全初期化や、共有エラーの解決を保証するものではありません。処理後に元の症状を再確認します。

方法7:最新の更新情報を確認し、必要な場合だけ回復を検討する

まず現在の累積更新と公式の既知の問題を確認します。KB5065426の適用直後に問題が出た場合でも、その後の修正や、現在の環境に合う回避策がないかを調べてください。

KB5065426にはセキュリティ修正が含まれます。更新の削除を最初の対処方法にせず、確認した原因、業務への影響、復元方法を基に判断します。

更新情報と症状を確認し、必要な場合だけ回復を検討する流れ。

管理者がロールバックを必要と判断した場合は、バックアップと回復キーを準備し、適用する更新と回復手段を確認して進めます。

  1. 設定 → Windows Update → 更新の履歴で適用状況を確認します。
  2. 必要に応じて更新プログラムをアンインストールするを開きます。
  3. 目的の更新が一覧にあり、削除に対応している場合だけ、管理者の計画に従って操作します。すべての更新を個別に削除できるとは限りません。
  4. 復元後は同じ症状をテストし、修正済み更新の適用計画を立てます。更新の一時停止が必要な場合も、組織の管理方針と必要な期間に従い、長期的に未更新のまま運用しないでください。

次回の展開で共有と識別情報を確認する

クローンの方式だけで、すべての共有問題の原因が決まるわけではありません。展開後にPC名、マシンSID、アカウント、実際の接続を確認することが大切です。

別々のPCとして運用する環境では、それぞれの識別情報と、必要なドメイン参加を整えます。Microsoftがサポートするイメージ展開では、キャプチャ前の一般化と適切な展開手順を使ってください。

ディスククローンとWindows SID変更の手順を確認し、試験用PCでサインイン、共有、アプリを検証してから対象を広げます。KB5065426自体の既知の問題と最新情報は、MicrosoftのKB5065426の案内で確認できます。SMBv1/NetBTに関する問題と、重複SIDによる認証問題は分けて確認してください。

KB5065426のトラブルに関するよくある質問

再起動してもファイルやプリンターの共有が直らないのはなぜですか?

再起動だけでは、資格情報、共有のアクセス許可、名前解決、SMBの互換性、重複SIDなどの原因は解消しません。エラーを記録し、実際の原因に合う項目を確認してください。

SIDを変更するとファイルは削除されますか?

Wittytool Disk CloneのSID変更は、既存のアカウント、設定、インストール済みアプリ、データを保持します。変更前には、重要なデータの独立したバックアップと、必要な回復キーを用意してください。

更新を削除した状態で使い続けてもよいですか?

長期運用はおすすめしません。問題の原因に対処し、現在の修正済み更新を適用できる状態を整えてください。管理対象PCでは、管理者と更新・回復の計画を調整します。

IPアドレスで接続すれば根本的な問題も直りますか?

いいえ。\\192.168.x.xのようなIP指定は、名前解決などを切り分けるための比較です。SIDの重複やアクセス許可を修正するものではなく、認証方式が変わる場合もあります。恒久対策の代わりにはしないでください。

Kenji Nakamura

著者

  • 40 記事
  • 東京, 日本

中村 健司は、Windowsやストレージに関する記事を執筆しています。
ディスクの整理やパーティションの変更、SSD・HDDの使い方など、パソコンを使う中で疑問を感じやすいテーマを中心に取り上げています。

記事では、専門用語を一方的に説明するのではなく、実際の画面や操作をイメージしながら読み進められる内容を心がけています。「何をすればよいのか」だけでなく、「なぜその操作が必要なのか」まで分かるよう、できるだけ順序立てて説明しています。

普段からPCの設定を見直したり、新しいストレージ製品やソフトウェアを試したりするのが好きで、気になった機能は実際に操作して確かめています。休日には街を歩いたり、落ち着いた場所で技術書を読んだりしながら、新しい知識を取り入れています。

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